声の収録には本当に何度も(ほとんど)見学に行かせていただきました。
大好きなんです見るの。こんなに来る原作者はいないと言われながら、でも大好きなんです収録を見るの。
こんなの20年ぶりなんだから、そうそうないんだからがっつり見に行かせて。
声優さんがたにお会いして、その声を、その技をじっくり聴かせていただく…至福でございます。しかも見た? あの顔ぶれ! ふふ羨ましかろう。
「漫画家になって良かったことはなんですか?」 ってよく質問を受けるんだけど、憧れの声優さんがたにお会いできた、ってこともその大きなひとつです。
声優の皆さんには本当にお世話になりました。原作を好きだと言ってくださるかたが多くて嬉しかったです。
尺の都合で感情の変化やその表現や本人にとって重要なセリフがなくなってるとこも多かったので、皆さんそれぞれに気持ちや状況を考えて補完して演じてくださいました。
素晴らしかったです。さすがです。
そしていつも現場をうろうろしてたわたしに優しくしてくださってありがとう! 収録のとある日に声優の皆さんからお花をいただきました(代表してナツと花から。監督さんとわたしに)。
お忙しい中そんなことにまでお気を遣ってくださって本当に嬉しかった。ありがとう!!!
お疲れ様でした!
そんな収録ですが。
書いたセリフが音声となることによって初めてわかることがあります。
固有名詞のイントネーションが思ってるのと違う…! なんてことが。
たとえば、「ちまき」。
その発音の仕方がどれなのかと現場で紛糾したりしました。
わたしは食べ物の言い方の「→→→」ではなく「↑↓→」と呼んでたので、そちらにしてもらいました。
「源五郎」も「→→→→→」なのか「→→→→↑」なのか「↑↓→→→」なのか、どれですか? と現場で質問されて初めてあれっどれだっけって思ったり。たいてい自分の思うようにしてもらうんですが。
こんなことがあるからやはり原作者が見学に行ってた方がよかないか? ね。
だけど「のばら」は、自分が呼んでたのとは違って、標準語ならこう言うだろうという「↑↓→」の方にしてもらいました。
わたしは関西人でして、わりと関西弁発音でセリフを考えてたりすることがあるので、のばらも「→→↑」と呼んでました。これはやはり違うだろうと思いました。
こんな感じなので、おそらく皆様も原作を読んでくださってる時、それぞれのイントネーションで固有名詞に親しんでくださってるのだと思います。アニメを観て、思ってた発音と違った…! ってことがあるだろうなと思います。
そうそう関西人キャラには関西出身の声優さんが当ててくださったりして、ありがたかったですね。
わたしは関西人だけど和歌山なので、たとえばマークの関西弁に絶対こうだ、とは言えないとこがあって。そこらへんはお任せした部分もあります。
そういえばバサラの時は「バサラ」って言葉そのものが「→→→」なのか「↑↓→」なのか「↓↑→」なのか、いろいろ飛び交って、自分でもわけわからなくなってました(笑)。
…つづく