2014年にご逝去された漫画家・伊藤結花理(ゆかり)先生を偲んで、高校時代からのご親友、赤石路代先生と漫画同好会のお仲間や後輩の皆さんによって、OG作品展が開かれるそうです。
「結~ゆかり~浦和一女漫画同好会OG展」
2020年、10月13日(火)〜18日(日)まで
10:00~16:30(最終日のみ入場が15時頃までになるそうです)
埼玉県立近代美術館、第三展示室にて
赤石路代先生と、後輩の北川玲子先生のコメントもぜひどうぞ。
昔話をいたしますが、自分がまだデビュー前、上京して間もない頃から編集さんに紹介していただいたりで、あちこちで流しのアシスタントのお仕事ができるようになりました。
まだまだペンタッチもうわずっておぼつかない素人まるだしの自分でしたが(しかも基本コミュ症なんでびくびくしてた)、たいへん勉強させていただいたと思っています。
そんな中、なんと赤石路代先生にも呼んでいただいて、何度も行かせていただきました。先生はとにかく素敵で優しくて(ふんわりされててかつ凛々しい…かっこいい)しかもちゃんと寝かせてくれて…(いや3日寝られないとこもあったから…そうなると手が冷たくなってなぜか耳元でオーケストラの演奏が聴こえる。でもそれはそれで楽しい思い出です)、とてもよくしていただきました。当時も今も憧れの大先輩です。
赤石先生のところにお友達の伊藤結花理先生もお手伝いに来られてました。それで結花理先生のとこにも呼んでいただくようになったんです。
いやこのお二人は互いによく手伝い合いっこされてて、結花理先生のとこに伺うと赤石先生がもういらしてるということもたびたび。
仲良しでいいなあと勝手にほくほくして見てました。
その後自分もデビューが決まって、アシスタントにはだんだん行けなくなったんですが(実質2年くらいか…)、結花理先生のとこに一番多く行かせていただいたと思う。とんでもない勢いで大量のベタフラとかやったよ。
楽しかった。とにかく楽しい仕事場だったです。
結花理先生というかたが天性のエンターテイナーで楽しいかたで、ものすごく高レベルに多彩な技をお持ちで(たとえば書道が七段とか)慶応大仏文科を出られてて英国留学経験もあって、そしてとんでもない読書家で。歌舞伎とかにも詳しくてなあ…(漫画で解説した御本も出されてる)。
仕事場が本で埋まってて、本の中からピアノとかフルートとか出てくるんですよ。かっこよすぎ。
「活字中毒なんだよー、お店にいても箸袋まで読んじゃう」っておっしゃってた。
バンドをやって歌ったかと思えば路上で踊っててクラブにスカウトされた、とか、なんなんですか先生、何やってるんですか、という感じのパワフルなかただった。こう言うと失礼だけど面白くてたまらなかった。
先生もわたしの関西人なとこを面白がってくださってた。
それでいてすごく繊細で気を遣うかたで、先輩なんだけど可愛らしくて。
先生なんだけどわたし「結花理さん」て呼んでた。
大好きでした。
もういらっしゃらないなんて。
結花理先生は小説も書かれてて、その挿絵を任せていただいたこともありました。またやろうっておっしゃってたのに。
いや先生のことごく一部しか知らないわたしがこんなに語ってすみません。
あくまでわたし個人の勝手な思い出です。
今回先生がたの原画を久しぶりに拝見するのが楽しみです。
どうぞぜひ「結~ゆかり~浦和一女漫画同好会OG展」を訪ねてください。